俺の東京タワー_1

俺の東京タワーという名前の小説を、少し前、6年くらい前からだろうか。書いてみたいと思って生きてきた。

しかし書いてみることが怖かった。

俺の東京タワーを書いてみたいと思っていたのは、書いたら、自分の人生の万事が解決するのではないかという望みがあったからだ。

いざ書いてみて、万事が解決しなかったら、生きるうえでの望みを失ってしまう気がして、怖かったのだった。

でも、最近、追い詰められてきた。

いつか書く、そして、書いたら人生の万事がきっと解決するという望みを持ち、書くことを保留し続けることに限界が来ているのだ。

書けばきっと解決するだろうという望みを持ちながら生き続けることと、いざ書いてみても万事が解決しないかもしれないことの2つがあって、今までは後者が怖くて前者を取っていたのだけど、普通に生き続けることが最近大変になってきた。

具体的に言えば、勤めて三年目の職場で、4月から部署異動があった。

異動先は、採用から2年目までいた部署よりも、忙しいというか、人間と接する機会が1.8倍くらい多い所だった。

俺は人間と接することがとても苦手で、仕事の上でわからないことを聞くことや、相談・調整

をすることがとても苦痛だ。

人と接するには、前の日の夜から接し方・内容等をシミュレーションし、イメージと覚悟を養う必要がある。そして、接することのできる回数は、1日に1回から2回が、精神的な限度なのだ。

仕事量が増えたので、人と接しなければ仕事が進まないことがどうしても増えた。そして俺は、そこで死ぬ気で頑張ることを選ぶことができないでいる。もう、どうにでもなれと思えるほど開き直れているわけでもないのだが、人に聞けないし相談できないので、仕事が進まず、結構連日上司に注意されている。最もなことだ。俺が悪いのだ。

上司も俺を鍛えようと、なんとか頑張ってる。上司は、俺の仕事が進まない、つまり遅い原因は、何か仕事の進め方が間違っていると思っているのだが、実は人に聞けない、相談できないから俺の仕事が遅いということを、まだ気づいていない。俺も、人と接するのが嫌で仕事を進めれないなどとは言えない。教えてもいくらサポートしても、仕事がなかなか早くならない俺に、上司も今焦っているだろうし、いつかはこの仕事の進め方に限界が来るだろうと予感している。10日ほど前は、俺の仕事が止まり続け、プチ限界のようなものがきて、上司に今までで一番強く注意されてしまった。

こんな状態なので、連日辛くて、仕事を辞めたいと毎日思っている。普通に生きていくということが、今は大変だし、難しく感じている。

この先どうなってしまうのか、全くイメージができないでいる。仕事を続けるイメージはゼロだ。今やっている事務職・デスクワークというものについて、自分は適正がないことがよくわかったから、その他の職種から選びたい。

今俺ができると思っているのは、清掃員と工場勤務だ。

自分の仕事を巡る話は、ここまでにしておく。

とりあえず、もう俺の東京タワーを、書くしかないのかな、と思ったのだ。

書いてみて、何か俺のことが、解決してくれないかなと思った。